高杉晋作が愛用した赤間関硯と江戸小唄「ままならぬ」
幕末の志士、高杉晋作が愛用した携帯用の赤間関硯をご紹介します。
硯の周囲に波の文様を刻み、墨を溜める凹みに蟹をあしらった小硯です。
無銘なので作者はわかりませんが、腕利きの職人による作といえます。
晋作は生涯で多くの漢詩や和歌を残し、旅先で記した日記等も残されています。
下関市厳島神社蔵 下関市立歴史博物館寄託(縦7.9cm×横5.4cm×高さ0.9cm)
晋作は三味線をたしなむ風流人でもありました。
一説に晋作が詠んだ唄として今に伝わる江戸小唄「ままならぬ」があります。
ままならぬ浮世としれど逢いたさに 用ありげなる玉章は
こころ赤間の小硯に 受けてほしさよ萩の露
江戸小唄の春日流流祖、春日とよが唄う「ままならぬ」を国立国会図書館の
歴史的音源で聴くことができます。
激動の幕末の世を生きた晋作の心情に想いを寄せてみてください。
https://rekion.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1317595